コミュニケーション改善の秘訣~その16~

こんにちは!離婚&夫婦問題改善専門カウンセラーの佐藤加奈子です。
昨日はアサーション権について書きましたね。アサーション権は誰にでも与えられている権利
でしたね。人種、年齢、職業、性別などによって差別されるものではなく、子供にも与えられている権利です。
アサーション権は、具体的な項目を数えると100以上あると言われますが、ここでは、
夫婦(カップル)の関係のアサーション権について書いていきますね。
①誰でも、パートナーに自分の気持ちや考えや欲求を表現してよい
非主張的な傾向が強い人は自分自身にこの権利があることを自覚していなかったり、
確信がもてなかったりしがちです。逆に攻撃的な傾向が強い人は自分がこの権利があることは確信していますが、パートナーにもこの権利があるとは思いていない可能性があります。
心の深層には、パートナーが自己表現することに対して強い不安が隠れています。
②私たちは、パートナーとの関係において、自分らしさを大切にしてよい

たとえ、深く愛し合っている夫婦であっても、お互いに趣味や行動様式、価値観、生き方に至るまで、常に同じなどという事はありません。自分らしさに目をつむったり、自分らしさを犠牲にして生きるのももったいないことです。自分はこういう事が好きだけど、こういうのは嫌い、こんな生活していきたい、こんな人生を送りたい、といったことは夫婦でも同じとは限りません。話し合ってすぐに妥協点が見いだせるわけでもありません。時にはかなりの時間が必要になってくることもあるでしょう。しかし、そこから目を背けないでパートナーと話し合い、自分らしさを伝えていくと同時にパートナーの自分らしさも理解しようとすることも大事でしょう。③真面目に聴き、受け止めてほしいとパートナーに求めてよい

私たちはパートナーに自分のことを理解してほしい、受け止めてほしい、という期待を持っています。自分の話を聴いてほしいと思うのも権利の一つです。真面目に聴いてほしい、受け止めてほしい、理解してほしい、という事をパートナーに責めるかたちではなくて落ち着いて表現することが大切です。また、話を聴いてほしいからと言ってパートナーが疲れ切っている時にクドクドと一方的に話し続けるだけでは、自分で自分の権利をうまく使えていないことになるので、パートナーの様子をよく見たり、自分の話し方をチェックすることも大切です。④私たちは、パートナーに対して不完全であってよい

私たちは人間です。人間である限り誰もが不完全で、時には失敗します。私たちはパートナーに対して完璧になることはできないことを認めたうえで、自分はパートナーを失望させたり傷つけてしまうこともあり得るし、その逆もあり得るという事を前提としてコミュニケーションをしていくようにしましょう、大事なことはもしパートナーを失望させたり、傷つけてしまうような言動をしたらそのことをきちんと認め、謝り、関係を修復していく努力をしていくことです。
⑤パートナーにしてほしいこと、してほしくないことを言ってよい

日々の生活の中でパートナーにしてほしくないことやしてほしいことはたくさんありますよね、それはパートナーに表現してよいという事です。もちろん、自分がパートナーにしてほしいことを伝えたからと言ってすぐにパートナーが理解してくれて同意してくれるとは限りません。
言っても無駄と決めつけるのは早すぎる場合もあるかもしれませんし、いつ、どんなふうに、どんな言葉で伝えるかを考えねばなりませんが、その前提として「言っても良いのだ」という事を自分自身で確信することが必要です。
⑥パートナーからの依頼や要求を断ってもよい

パートナーにしてほしいことやしてほしくないことを言っても良いのと同じように、パートナーから頼まれたことや求められたことを断っても良いのです。私たちはつい、パートナーとの関係を大切に思うと、小さなことでも断りにくくなります。
自分の本心である「断りたい」という気持ちに耳を傾けましょう。⑦パートナーとの関係において、傷つくことがあってよい
傷つく権利とは、パートナーとの関係の中で自分が傷ついた時、傷ついた自分を否定せずにありのまま認めてよいということです。「こんなことで傷つく自分はおかしいのかな」と自信を無くす必要はないし、反対に、傷ついた自分をばかにされたとパートナーに怒りをぶつける必要もなく、傷ついたということをアサーティブに表現すればよいのです。
反対に自分の言動によってパートナーが傷ついた場合、「自分は傷つけようと思ってあんなことを言ったのではない」と自分を正当化したり、妙な理屈をこねてパートナーが傷ついたことを否定することなく、まず、パートナーが何を望んでいるのか、何に傷ついたのかを理解するように努力しましょう。
⑧自己主張しない権利
アサーション権、つまり自己表現の権利について述べてきましたが自己主張しない権利が登場するのは「あれ?」とおもわれるかもしれません。アサーティブに学んだ人は、いつでも、どこでも、誰に対してもアサーティブであるべきだ(アサーティブでなければならない)という誤解が生じることがあります。しかし、常にアサーティブであることは不可能ですし、必ずしもよい結果をもたらすとは限りません。
日頃から自分のことを非主張的な傾向が強いと思っている人の中には、実は「言えない」だけではなく、アサーティブに「言わない」という選択を出来ている人が少なくありません、自己主張しない場面の中で、「言えない」時と「言わない」時を区別して理解しておくとよいでしょう。

いかがでしたか?アサーション権は、生まれながらにして人に与えられていると述べましたが、だからと言って保証されているわけではありません。ほとんどの人がアサーション権という言葉も知らないのが現実ですし、アサーション権を妨げるような人や状況が多くあるのが事実です。
しかし、だからこそ、まず自分自身でアサーション権について理解し、納得し、確信することが大切です。アサーション権はパートナーにも同じようにあります。そのような意識がアサーティブな自己表現を可能にする確かな基盤になることでしょう。

さて、今日は長くなりましたね^^
アサーティブになってもいいし、ならなくてもいいということですね。
あなたとパートナーがよりよい関係になり、笑顔が増えたら佐藤はとても嬉しく思います。
次回は物の見方・考え方とアサーションについて書きたいと思います。